kazの徒然日記
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[1] 俺と彼女の事情 [金弦3大ひな連載]
こんばんは!あなたのkazです。
今回は大ひな連載の2話目です。
2話目ですが、1話扱いです。前回のはプロローグですので、0話ですから!
前回の注意書きを良く読んで頂けて、ついでにプロローグを読んでから読んで頂けたら幸いですv
(ちょこっと修正とかしてます。7月10日現在)
では続きからどうぞ。
今回は大ひな連載の2話目です。
2話目ですが、1話扱いです。前回のはプロローグですので、0話ですから!
前回の注意書きを良く読んで頂けて、ついでにプロローグを読んでから読んで頂けたら幸いですv
(ちょこっと修正とかしてます。7月10日現在)
では続きからどうぞ。
[1] 俺と彼女の事情
8月26日。
俺たちは見事全国の頂点に立った。
3年間共に部活に励んだ律は勿論、ハルも響也も良い演奏を見せてくれた。
そして何より頑張ったひなちゃんのおかげ、が大きかっただろう。
初めて彼女の演奏を聞いた時には巧いだけの演奏だと思った。
心のない、機械のような平坦な演奏だと。
そんな彼女をファーストに推す律を相手に、彼女にはファーストは任せられないと本気で討論をしたこともある。
「君も考えて見てくれないか?何が一番良い構成なのかを」
こんな厳しい言葉を、彼女に投げかけたこともある。
それでも彼女は残酷な俺の言葉にも挫けず気丈に練習を重ね、予想以上の成果をあげてみせた。
彼女をファーストに。彼女をアンサンブルメンバーに。律が拘ったのは決して身内びいきではなかったのだ。
「全国優勝、おめでとうー!!」
優勝祝賀会、とでも称されるだろうパーティーが開かれ、俺たち星奏のアンサンブルメンバーだけではなく、報道部でありひなちゃんの友人でもある支倉さん、現在菩提樹寮に滞在している至誠館や神南の面々、しまいには頂点を最後まで争った天音のメンバーまで集まる華やかな場となった。
俺たちの祝賀会とは言え、今日の主役は間違いなく彼女…誰よりも一番頑張ったひなちゃんだと言えるだろう。
ひなちゃんの周りは瞬く間に人だかりとなった。
…ひなちゃんは不思議な魅力を持っていると思う。
ライバルや敗者ですら惹きつける、手助けせずにはいられない、そんな不思議な魅力が。
単に紅一点だからなんて理由じゃなくて、誰かしら何らかの形で彼女に救われているから、きっと皆彼女を放っておけない、おきたくないんだ。
そしてそれは俺も同じ。
ひなちゃんにとってのたったひとりの特別になりたいと…そう思ってやまないと言うのに。
なのに…一歩踏み出せないのは何故だろう。
今までの俺には、副部長として、大事なファーストに手出しはさせないという名目があった。
だが…今の俺にはそれがない。
これ以上ひなちゃんをそんなことで縛り付けられない。
自分で作った建前が仇になってしまったようだ…。
…今の俺には、ひなちゃんを束縛する資格なんか、ない。
自分の感情に素直になれず建前だけで彼女の周りに近づく男を牽制してきた俺には。
………あの日。
岡本が彼女に告白すると夏休みなのに登校してきたあの日、俺が何らかのアクションを取っていたのなら。
俺も今、彼女を取り巻く男のひとりになれていたのだろうか。
…彼女の頬をあのように赤く染める事の出来る、男に…なれていたのだろうか…。
名前も知らない天音学園の生徒と話しているひなちゃんの頬が林檎のようで、その様子を見ると胸がきりりと痛む。
あぁ、思ったよりダメージがでかいようだ。
どろどろとした黒い感情が俺を侵食していく。
全くもって俺らしくないな…必要以上に人と関わらないようにしてきたって言うのに、どうかしている。
「…大地?どうかしたのか?顔色が良くないようだが」
隣に律が来た事に気づかない程に考え込んでいたようだ。
俺は一刻も早くここから抜け出したくて、隣に来たのが恋愛沙汰には疎い律であることに心から感謝して、ここから立ち去る理由を模索する。
「律。…盛り上がっている所悪いんだけど調子が悪くてさ…水を差すのも悪いからこのまま先に上がっても?」
「そうなのか?なら俺も…」
「あぁ、律は良い。と言うか俺が抜けてお前も抜けたら収拾がつかないだろ?悪いが、後を頼むぞ」
「…解った。気をつけて帰れ」
なんとか律を言いくるめる事に成功すると、俺は逃げるように会場を後にした。
----------
以上、1話でした。大地先輩目線です。
アタシの単純な考えなんかあっさり解っちゃうと思いますが、こうして大地先輩とひなちゃんで視点が変わったり、他のキャラと視線が変わったりで、「彼」とか「彼女」の指示語が時々変わる予定です。
次は、彼とわたしの事情、ですよー!
8月26日。
俺たちは見事全国の頂点に立った。
3年間共に部活に励んだ律は勿論、ハルも響也も良い演奏を見せてくれた。
そして何より頑張ったひなちゃんのおかげ、が大きかっただろう。
初めて彼女の演奏を聞いた時には巧いだけの演奏だと思った。
心のない、機械のような平坦な演奏だと。
そんな彼女をファーストに推す律を相手に、彼女にはファーストは任せられないと本気で討論をしたこともある。
「君も考えて見てくれないか?何が一番良い構成なのかを」
こんな厳しい言葉を、彼女に投げかけたこともある。
それでも彼女は残酷な俺の言葉にも挫けず気丈に練習を重ね、予想以上の成果をあげてみせた。
彼女をファーストに。彼女をアンサンブルメンバーに。律が拘ったのは決して身内びいきではなかったのだ。
「全国優勝、おめでとうー!!」
優勝祝賀会、とでも称されるだろうパーティーが開かれ、俺たち星奏のアンサンブルメンバーだけではなく、報道部でありひなちゃんの友人でもある支倉さん、現在菩提樹寮に滞在している至誠館や神南の面々、しまいには頂点を最後まで争った天音のメンバーまで集まる華やかな場となった。
俺たちの祝賀会とは言え、今日の主役は間違いなく彼女…誰よりも一番頑張ったひなちゃんだと言えるだろう。
ひなちゃんの周りは瞬く間に人だかりとなった。
…ひなちゃんは不思議な魅力を持っていると思う。
ライバルや敗者ですら惹きつける、手助けせずにはいられない、そんな不思議な魅力が。
単に紅一点だからなんて理由じゃなくて、誰かしら何らかの形で彼女に救われているから、きっと皆彼女を放っておけない、おきたくないんだ。
そしてそれは俺も同じ。
ひなちゃんにとってのたったひとりの特別になりたいと…そう思ってやまないと言うのに。
なのに…一歩踏み出せないのは何故だろう。
今までの俺には、副部長として、大事なファーストに手出しはさせないという名目があった。
だが…今の俺にはそれがない。
これ以上ひなちゃんをそんなことで縛り付けられない。
自分で作った建前が仇になってしまったようだ…。
…今の俺には、ひなちゃんを束縛する資格なんか、ない。
自分の感情に素直になれず建前だけで彼女の周りに近づく男を牽制してきた俺には。
………あの日。
岡本が彼女に告白すると夏休みなのに登校してきたあの日、俺が何らかのアクションを取っていたのなら。
俺も今、彼女を取り巻く男のひとりになれていたのだろうか。
…彼女の頬をあのように赤く染める事の出来る、男に…なれていたのだろうか…。
名前も知らない天音学園の生徒と話しているひなちゃんの頬が林檎のようで、その様子を見ると胸がきりりと痛む。
あぁ、思ったよりダメージがでかいようだ。
どろどろとした黒い感情が俺を侵食していく。
全くもって俺らしくないな…必要以上に人と関わらないようにしてきたって言うのに、どうかしている。
「…大地?どうかしたのか?顔色が良くないようだが」
隣に律が来た事に気づかない程に考え込んでいたようだ。
俺は一刻も早くここから抜け出したくて、隣に来たのが恋愛沙汰には疎い律であることに心から感謝して、ここから立ち去る理由を模索する。
「律。…盛り上がっている所悪いんだけど調子が悪くてさ…水を差すのも悪いからこのまま先に上がっても?」
「そうなのか?なら俺も…」
「あぁ、律は良い。と言うか俺が抜けてお前も抜けたら収拾がつかないだろ?悪いが、後を頼むぞ」
「…解った。気をつけて帰れ」
なんとか律を言いくるめる事に成功すると、俺は逃げるように会場を後にした。
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以上、1話でした。大地先輩目線です。
アタシの単純な考えなんかあっさり解っちゃうと思いますが、こうして大地先輩とひなちゃんで視点が変わったり、他のキャラと視線が変わったりで、「彼」とか「彼女」の指示語が時々変わる予定です。
次は、彼とわたしの事情、ですよー!
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面白そうなので追加してみました。
超鈍足更新予定(笑)
HN:
カズマヤエ
性別:
女性
職業:
残念な事務員
趣味:
絵描き・妄想・ゲーム
自己紹介:
お絵描きと妄想とゲームが大好きなどこにでもいるごくごく普通の残念な事務員。絵は遅筆、妄想を形にするのが巧くなく、反射神経も推理力もない残念なゲーム好き。
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