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kazの徒然日記

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図書戦SS『月が綺麗ですね』

こんばんは!あなたのkazです。
最近ピクシブで図書戦素敵絵を漁ったり素敵SSを漁ったり時々残念駄文を投下したりしてます。
絵を描くよりも文章を書く方が準備が少なくて済むからお手軽ってのがあるのですが。。
こうして絵を描く事から逃避してるからどんどんスランプが進むんだよー!もっと頑張れ私と取りあえず背中を思い切りばしっと殴りつつ。

図書戦SSです(笑)
反省の色が全く御座いません。

別冊1のムツゴロウさん前くらいです。凄く短いです。時事ネタですので多分ネタとしてはn番煎じなのですが折角の中秋の名月ですので!時事ネタには乗っかっておくが基地もとい吉としたものでしょう!









満月の下、手を繋ぎ歩いているふたつの影があった。
その人々も、その影も、そっと寄り添いそれはとても幸せだと言葉以上に雄弁に伝えていた。



『月が綺麗ですね』



公休デートの帰り道。郁は何を話すでもなく、ただ堂上の手のぬくもりを感じていた。
話題が尽きたわけでもなければすれ違いがあったわけでも勿論ない。ただ、隣に堂上が居てくれると言うことが幸せで、幸せだと思うのだ。
きっとそれは堂上も同じで、だから郁が黙っていても何も言わず一緒に隣を歩いているのだろう。
言葉で色々伝える事も大切だが、こうして何も言わなくてもなんとなく落ち着いて幸せなのが嬉しかった。
「ね、堂上教官」
そっと隣に視線を向ければどうしたと言わんばかりの堂上の笑顔が月明かりに照らされて、それはとても綺麗な光景だと思った。
ただ声を掛けたかっただけで特に伝えたい事もなかった。
なんでもないです、と笑う代わりに思った事がするりと口から出た。

「月が、綺麗ですね」

堂上は少し驚いて目を丸くして、それから月に負けないくらいの柔らかい笑顔で笑った。
「そうだな。今日は十五夜だから特にな」
堂上の言葉に今度は郁が目を丸くした。そうなんだ、と呟くと堂上が苦笑する。
「知ってて言ったんじゃないのか?」
「そんなの私が知ってる訳ないじゃないですか」
知らない事をいばるな、と堂上が繋いでいない左手で軽く郁を小突く。痛い、と郁が戯けて小さな笑い声が重なる。
そうしてふたりの足は自然と止まり、空を見上げた。

「……月が綺麗だな」

ぽつり、堂上が呟いた。郁がくすくすと笑う。
「それ、さっきあたしが言いましたよ」
郁の言葉に堂上は、まあ聞け、と郁へ向き直る。月明かりが堂上の顔に絶妙に光を照らし、影を落とす。やっぱり綺麗だと郁はぼんやり思った。
「夏目漱石がな……」
「へ?夏目漱石?」
突然の脈絡の無い言葉の選択に郁が再び目を丸くした。
「そうだ、夏目漱石が昔英語の教師をやっていた頃、とある言葉をこう意訳したそうだ」
堂上の笑顔はとても綺麗で、1枚の絵画のように見えた。見とれているうちに堂上は再度口を開く。
「『I love you.』。
 あなたを愛しています、と本来なら訳すんだろうがそれを、『月が綺麗ですね』と訳すとしたもんだ。
 なんて風流なんだと凄く心を動かされた」
いつの間にか郁の顔も笑みに変わっていた。
堂上の言葉が、声が心地いい。こんな素敵な話をこんな綺麗な月の下で大好きな人から聞けるなんて。嬉しくて、自然と堂上と繋ぐ手に力が籠った。
目が合うと堂上もそっとその手を握り返してくれる。
幸せだ、と思った。
「お前にしては珍しい言葉の選び方だと思ったんだが」
ふいに堂上に悪戯っぽく笑われて少し悩む。
言葉の選び方……月が綺麗ですねというアレのことだろうか。愛していますと直訳すると言う、あの。
……あの!?
「あの!あたしそういうつもりで言った訳じゃ……ホントにあの、月が綺麗だなあってそれだけで」
わたわたと慌てて手を振る。繋いだ左手は堂上の手も巻き込んでぶんぶんと勢い良く振られた。それは堂上に落ち着けと繋がれた手で押さえられるまで少し続いた。
「解ってる。そんな含みが無くたって、満月をお前と楽しめた事が俺には嬉しい」
ぴたりと郁の動きが止まり、ついで頬が赤くなる。それ反則ですから、と空いている右手を右の頬の熱を冷ますように押し付ける。そんな郁の姿が可愛くて、堂上は左手でぽんぽんと器用に郁の頭を撫でた。
郁の可愛らしさに浸っていたいがこのままでは門限に間に合わないかもしれない。名残惜しいが堂上はそっと郁の手を引き歩き出した。郁も半歩遅れてそれに続く。
月明かりの下、すぐに二人の影は横に並んだ。

「あの」
基地までもう少しと言う所で遠慮がちな郁の声がする。堂上は足を止めて郁へと視線を向けた。郁の頬はほんのり熱を持っていて、月明かりに赤が映えるなと堂上はそんな事を考えながら続く言葉を待つ。
「……そういう選び方したんじゃないですけれど、そう言う意味で取って……間違ってないです」
そういう選び方、そう言う意味、と指示語で話されて一瞬戸惑ったが、すぐに思い出す。
月が綺麗ですねと意訳されるその言葉を。
反則だろうそれは。と吐き出す息に言葉が乗った。そんな事を言われて真っ直ぐ帰してやれると思ってるのかこの馬鹿。
堂上は郁と繋いだ右手を引き寄せる。腕時計を見るためだが一緒に付いてきた郁を左手で支える。門限までは後15分、ここから基地までは訓練速度で5分。まだ時間はある。
堂上は基地へと続く道とは別の道を歩き出す。繋いだ手に引きずられる郁は目を丸くした。
「遠回りして帰るぞ。……月が綺麗だから、名残惜しい」
郁は言葉の意味を正しく理解して、はいと嬉しそうに頷いた。




ふたりの影が重なるのを、まるい月がそっと見ていた。




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有名な言葉なので多分同じネタがゴロゴロあると思いますが、堂郁でやってみたかったのでつい。
結果、時と場所が変わっても二人いちゃいちゃしているだけでした。

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ぴくしぶ、はじめました。





面白そうなので追加してみました。
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カズマヤエ
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職業:
残念な事務員
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絵描き・妄想・ゲーム
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お絵描きと妄想とゲームが大好きなどこにでもいるごくごく普通の残念な事務員。絵は遅筆、妄想を形にするのが巧くなく、反射神経も推理力もない残念なゲーム好き。
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